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第5章 暗闇の中

「今日は、ありがとうございました。」

志織さんは、親父の３回忌に来た人への挨拶に急がしそうだ。

カチャッ…

「ふうっ！やっと終わった。」
「志織さん、お疲れ様！久し振りに飲む？」

僕と志織さんは、部屋の片付けは後回しにして、喪服のまま、飲み始めた。

酒を飲みながら、昔話にハナを咲かせた。

「ねっ、そっちに座ってもいいかしら？」
「どうぞ。」

志織さんが、僕の隣に座って、お酌をしてくれた。

「はい…どうぞ。」
「志織…さん？」
「はい…」

志織さんが、僕を見た。