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おにいちゃん、おしえて。
第8章 おにいちゃんとの、やくそく。
「――清花。清花……」

夢心地でいた清花は、英司の声で現実に戻った。
清花の腹の上に吐きだした白濁を、英司がティッシュで丁寧に拭いていた。

はじめてのエッチは、すごく痛かったけど。
全身も、お腹の中も重くだるいけど……なんか、しあわせだ。

「おにいちゃん、きもちよかった?」
「ああ……清花は?」
「しあわせ。おにいちゃんと結婚したいって思うぐらい」

英司は、まだ夢見がちな清花の発言に苦笑した。
これが、同じ年代の女に言われていたら、また印象が違ったんだろう。
清花のそれはとても可愛らしく、英司はいつか本当にそうしてやりたいと思った。

「大人になったらな。俺も、清花も」
「大人ははたち? じゃああと7年ぐらい?」
「清花は大学行かないの?」
「まだわかんない……」

そりゃ、わかんないか。
自分の腕の中で清花の髪を撫でていると、4月から離れてしまうことに寂しさを覚えた。
それと同時に、ここに清花を残して行くことも。

俺は、清花を大事にしたいと思っているけれど。
離れたらもう、俺のことも忘れてしまうかもしれない。

「清花も、いつか東京に出てきたらいいよ」
「東京……」
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