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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第6章 『仲間』
「さて、と確かここってもう一部屋あったわよね」

 夜も更けた頃、お姉さんチームの二人はお酒に蕩け、妹ちゃんチームはピザとチキンとショートケーキで体重を少し上乗せさせたあたりでシーカさんが言った。

「あ、はい。シーカさんのアドバイス通り、二部屋ある物件で探しましたから」

 おかげで家賃の問題で築年数の深い物件になってしまったけど、住めば都というし事務所持は近いし日当たりもいいし、僕は早くもこの部屋が気に入りはじめていた。

「うんうん、よくやった。じゃあ早速今日からそこは『パンツァーカイル』の基地ね」
「え?」
「だって事務所はやっぱりしょっちゅう行くのは気が引けるし、だけどみんなで気軽に集まれるところはなかなかなかったし。ここがあれば夜が遅くなっても安心だしね。
 そんなわけで今夜はそっちにあたし達みんな泊めさせてもらうからね」

 つまりシーカさんが部屋に条件を付けてきたのって…

 ふと見ればカエさんが気の毒そうな顔で僕を見ていたし、お腹いっぱいでいつも以上に動きの鈍いハルナさんは早くもお泊りモードで目が閉じかけている。
 
「あ、あのですね、お泊りも基地もいいんですけど…あっちの部屋、片付いてなくて」
「え?」
「新しく買った家具とかの段ボールとかが置いてあるので、そこで寝るのはちょっと無理か、と…」

 布団だけはたくさんある。何せ事務所に寝泊まりしていると聞いたメンバーがそれぞれ持ち寄ってくれたからだ。実は引っ越しの中でいちばんの大荷物だったのがこの布団だったくらい。

 部屋が使えないと分かっても、すでに四人の女子は帰るのがめんどくさそうな様子を見せている。お酒を飲んでお腹いっぱい食べて、それで今日は泊まれると聞いたら誰だってそっちに気持ちは寄るだろう。

「と、泊るならこっちの部屋に布団を並べてみんなで寝る…、ってことになりますけども…」

 か弱く響く僕の声に皆がそれぞれに顔を向けた。
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