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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第2章 暖かい口に包まれて
『パンツァーカイル』の活動拠点は東京近辺。メンバーが住んでいるのが東京都内だし、零細芸能事務所『パーティー』も渋谷区にある。僕が住んでいるのは実家で両親と同居している。いつか一人暮らしもしてみたいもんだ。

 だって一人暮らしをしたら親に気兼ねなく女の子を部屋に入れられる。
 女の子と部屋に二人。することは決まっている。

 …まずは部屋に呼べる女の子を見つけないと。
 いやそれ以前に気軽に遊びに行ける仲にならないといけない。

 前途多難だ。道は長く険しい。
 何てったって僕が今普通に話が出来る女子というのはガールズバンド『パンツァーカイル』のメンバーだけだったし、彼女達とも言わば仕事の付き合いだ。
 僕は密かに、僕の童貞を彼女達で捨てたい、と思っている。そうなるにはもっと親密なお付き合いをしなければいけない。なのに僕は内気で社交性が低く積極性に欠ける。出来るのはいやらしい目で見て頭の中で妄想すること。

 それだけ。

 はぁ…。僕はハンドルを握りながら溜息をついた。時刻は夜の十二時に近い。このままだと日付が変わってしまう。業界用語で言うところの「てっぺん越え」ってやつだ。

 日曜日の今日は『パンツァーカイル』は新たなファンを求めて神奈川まで遠征した。車は事務所の軽のワゴン。運転手は僕。一応免許を持っているんだ。
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