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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第3章 夜の部屋に響くあの声
「イく…! イ…くぅ…!」

 ビクビクっとカエさんの体が震える。湿った音が聞こえなくなり、カエさんの喘ぎ声も止まった。
 ただ息遣いだけが聞こえる。深い快感の底で余韻に縛られたような吐息は次第に気怠く、そしてどこか満足気な響きに変わっていく。

 僕はスマホを布団の中にしまい、録画を終える。そのままじっとカエさんの息が整うのを待った。

 何分過ぎたか、何分も過ぎていないのか。

 興奮しきった頭にはもう時間の経過すらよく分からなかったけど、とにかくカエさんの息が静かに深くなった。

 念のためもう少しだけ待ってから僕はそっと布団から抜け出す。

 ちゃぶ台の向こうから驚いたような気配が伝わってくる。まるで高校時代に僕に痴漢されていた女の子が、いつの間にか背後に忍び寄った僕の存在に気付いた時のように。

「太一君…?」
「すいません、起こしちゃいましたか?」
「う、ううん…」
「あの…お手洗いに行ってきます」
「あ、うん…暗いから気を付けて」

 カエさんの声にはいつものような色っぽさがなかった。

 快感を全て解放して空っぽになった体に驚きを響かせた声。
 色っぽくはないけど妙に艶めかしい声。

 僕はその声を背中に受けて襖を開けて廊下に出る。

 もう限界だ。今すぐ右手のお仕事をしないと気が変になってしまいそうだ。

 おかずは十分にある。

 まだ耳に残るカエさんの喘ぎ声と胸いっぱいに吸い込んだ、部屋に充満した官能的な空気。
 そしてスマホの中のカエさん。

 静かに襖を閉めた後、僕は足早にトイレへを向かった。



 CD残り七百六十七枚。
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