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君を好きにならない
第10章 帰る場所

それから
二日後


俺と真琴は
レンタカーに乗って
横浜の映画館へ向かった


横浜の中華街で
飯を食い
映画を見て
夜景を見ながら
車で帰る


デートかよ(笑)

と、突っ込みたくなるプランに従って
真琴を隣に乗せて
俺はハンドルを握った


小説も書かずに
色々と調べたようで
真琴は飯を食う店も
観る映画も
映画の始まる時間もすべて決めていて
そんな一面もあるのかと
なんかウケながら
飯を食い


俺たちは
映画館に入った


「今、流行りのやつだな」


「そうです。絶対泣けるやつ」


「こーゆーの好きなのか?」


「ん~・・
嫌いじゃないですけど
どっちかっていうと
この映画を観に来てる人を
観察したかったんで」


「なるほどな」


「あ~でも
こーゆーの観ると
彼女欲しくなるから
違うのがよかったかな・・」


と、真琴は
ブツブツ言いながら
周りをきょろきょろと
見回した


彼女・・・な。



せっかくのデートに
そういうこと
言うなよ


と、思う


「あ、向井さん
はじまりますよ」


真琴のその言葉の後
場内は暗くなり

俺は
それとともに
目を閉じた



忘れよう

真琴を好きだということを



真琴が
どんなことを言っても
真琴に罪はない



真琴は


俺にとって

可愛い・・・




弟のような



ただの







担当作家先生。




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