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君を好きにならない
第12章 好きにならない


「こんなとこじゃ
ちゃんと眠れねーだろ?
あっち行くぞ」


聞こえてるのかどうか
分からないが
寝室に連れていくために声をかけ
突っ伏す真琴の腕を
自分の肩にかけた


久しぶりに触れる行為に

これは普通の男同士でも
することだから大丈夫だよな

と、確認する自分がいて


切なくなる


「・・ん・・」


真琴は
まだ熟睡はしていないみたいで
俺を支えにしながら
なんとか立ちあがると
一気に脱力して
俺に身体を預けた


久しぶりに触れる
酔った真琴は熱く
俺に頼り切る感じが
愛おしい


お前が心配で
たまらないよ・・

身体のことも
仕事のことも


ガチャ


やっと寝室にたどり着き
ドアを開けると
真琴が

「ごめ・・」

と呟いた


俺に迷惑をかけてると
思って謝ったんだろうけど

心の底では
俺に抱えられて
気持ち悪いと思ってんじゃないだろうか

ほっといてくれたらいいのにと
思ってんじゃないだろうか・・

もう

同じ部屋なんかで
眠りたくないと
思ってんじゃないだろうか・・

俺は
そんな被害妄想を繰り返しながら
真琴をベットに横たわらせた


さっき
真琴が寝室に入った時
はなっから眠るつもりがなかったのか
布団は敷かれてなくて
とりあえず
真琴をベットに寝かせたんだけど


俺のベットじゃ
気持ち悪いだろうか


でももう
寝息を立てはじめた真琴を
動かす自信もなく

俺は真琴をそのままにして
しばらく
深い眠りに落ちた寝顔を
見つめていた


酒が入らないと
眠れないほど
辛い思いをしてる真琴を


早く自由にしてやろう


そう思いながら




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