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君を好きにならない
第17章 見たことのない景色

真琴からLINEが届いたのは
昼過ぎだった


『おはようございます。
できたところまでチェックして下さい。
社メールに送ります』


敬語な真琴にニヤけながら
俺はパソコンのメールを確認した

お、届いてる届いてる

会議が終わったところで
丁度よかった


早速俺は
真琴の小説を
チェックし始めた


送られてきたのは
直したいと言っていた
後輩の心の移り変わりの場面と

昨日やった


フェラの場面だ



まず俺は
心の移り変わりから
チェックしはじめた


基本的な流れは
変わっていないが
心の中が
より具体的で
なかなかいい


真琴の苦悩とリンクしている様子も
よく分かる俺には
たまらない内容だ


自分がゲイであることを
受け入れる怖さ

好きな男を
受け入れたいという気持ち

それでも
拒絶してしまうかもしれないという
不安


そして


社会的な不安や


どうしても浮かぶ
家族の・・顔



マサシの前で
俺を抱きしめたあの日までの
真琴の苦悩が
全て書かれていた


俺が
引き込んでしまった
世界



それでも

「責任を感じないで」

と言った真琴の言葉を思い出して
俺は思わず泣きそうになっていた



会いたい


さっき別れたばっかりなのに


真琴に会って
何度も愛してると言いたい


お前が思ってるよりずっと


好きなんだと。
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