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君を好きにならない
第17章 見たことのない景色

「な、なんだよ」


「僕もシャワー」


さっき
つれなくされて
怒ってるのか
真琴は
少し不貞腐れた感じで
俺に近づいた


「僕、嫌なことは
ちゃんと嫌だって言うよ。
僕がしたいことを
してるだけなのに
向井さんが
拒否することないじゃん」


ごもっとも。


「すまん」


「本当に嫌なら
もうしないけど…」


今度は
強く言ったことを
後悔しているのか
真琴は少し
シュンとなった


そんな真琴を
近くに引き寄せ
一緒にシャワーを浴びながら
俺は真琴に
本音を漏らした



「嫌じゃねーんだ。
真琴にされて嫌なことなんかねぇよ。
ほんとに。

抱きついてくれるのも
キスされんのも
一緒に寝るのも
すげぇ、嬉しい」


こんなことを言うのは
苦手だ


「ほんと?」


「あぁ。
だからすぐに勃ちそうで…
やめろって言ったんだ」


「だめなの?」


「お前の前で
抜いていいのかどうか
迷ってた」


「じゃあ
そう言ってくれればよかったのに」


「得意じゃない」


「え?」


「相手が嫌かもしれないと思ったら
なんでも我慢するのが癖なんだ」


「…知らなかった」


「俺は…

甘えるのも
頼るのも苦手なんだ」



そこまで言うと
真琴は俺を抱きしめ
俺は
真琴の首もとに
顔を埋めた



「向井さん…

かわいい」



「かっこ悪いだろ
いい大人が…」



「かっこ悪くなんかないよ。

話してくれて
嬉しかった。

僕…

向井さんを
好きになってよかった」
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