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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第5章 心の中の焦り



朝、落ち着くもんが落ち着いてから、俺は漸く美紀さんが籠もる部屋のドアを開けた。



(あー
やっぱり・・・)


そこには、デスクで潰れるように眠っている美紀さんの姿…
何時までやってたんだ?


日数的に少なくなってるのは分かってる、それをカバーしようと必死になっている事も…



(だからって、仮眠くらいは取って欲しいんだが…)


籠もってからは毎日がこんな調子で、だからこそ俺は心配をしているんだが、美紀さんは全然聞いてくれない。



(起こして良いんかな?)


もう少し眠った方が美紀さんの為、外出は何時からでも構わない…
そう思い、極力音を立てないようにして、ソファーに座ろうと思ったのだが・・



「・・・
ん・・オリバー‥‥さん??」


俺とした事が失敗…
美紀さんを起こしてしまったらしい。



「おはようさん…
もう少し寝てるか?」


「・・うんん、目は覚めたよ…
そう、ワシントン観光だったよね?
ちょっと、シャワーと着替えて来るから待ってて……」


「ゆっくりで良いぞぉー」


と、言っているのに、慌ててシャワー室へ…
幾ら俺でも、女性のプライバシーまでは立ち入れない、だからこのままソファーに座って待機。


こんな徹夜組も沢山居るから、職員用のシャワーブースや仮眠室、食堂と機能は充実…
一般開放の裏の部分だけど‥見せる訳無いだろ観光客には。



「あれだよな…
赤の間とか青の間‥だった筈」


観光客に見せるのは、大統領専用応接室の、赤と青の間と呼ばれている場所とその周辺、本当に表向きだけの部分。


裏の職員‥俺達なんてこんなものだが…
これでもホワイトハウスだ、普通の会社とかから見れば、かなり充実した作りだとは思う。


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