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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第6章 心の中の後悔



「・・・・・・俺‥また美紀さんを傷付けたんだ・・・・・」


これで2度目、今回は本当に俺のミス…
微妙な体調不良を見抜けなかった俺のミス……



(・・・だから俺は、何も掴めないのかも知れない・・・)


壁に背を付けて、ガックリうなだれる…
全ては俺の判断ミス……


両親を殺された時も…
殺した奴を追い掛けた時も…
更にその上を探した時も…


全て後手後手で、俺は何1つ掴めなかった…
全て1歩後、気付いたら全て消えていた‥親も犯人もマフィアのボスも……


俺は何1つ掴めない…
俺が望むものは全て消えてしまう…
俺はだから望まなくなった…



(・・・忘れていた訳じゃ無い、思い出したく無かった・・・)


美紀さんに良い事を言ったくせに、本当は俺の方がトラウマに縛られていて、抜け出す事が出来ない。



(俺は、楽しさの影に隠れた…
こんなのは初めてだったから・・・)


その楽しさ愛しさに心が行った結果がこれ…
これでいいのか俺!?



「俺は・・・守りたかった・・美紀さんを守りたかった・・・筈・・」


こんな揺れた状態だから、ミスなんて事が起きる、心をしっかり持って注意深く見ていれば防げた事。



「・・・心は決めた筈なのに、俺はまだ揺れていたんだ」


決めるのが怖い…
ずっと1人だった俺が、簡単に決められる訳が無いだろう?


その戸惑いが判断を鈍らせる…
いい加減認めろ俺、幾ら朴念仁だって、此処まで来たら今の俺の気持ちが何なのかくらい分かっているだろう!


ただ口に出すのが怖かった…
あの時のように拒絶されるのが怖かった…



「俺は・・・・・・・美紀さんが・・・・・好きだ・・・・・」


この一言が、どれだけ重いか…
美紀さんには好きな人が居る、それを超える事なんて出来ない。


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