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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第6章 紀永と季永



(まあ‥追う気も無いだろうが…)


向こうは、めったに無い大口取引と言った…
多分にふっかけているとは理解していたが、敢えて乗ってやった‥‥それこそ今後の為に…


今の私だと、1億2億の金は簡単に動かせる…
それこそKIEIの収益、会社設立に使おうと思って触れずにいたが、今となっては必要も無くなってしまっている。



(金は幾らあっても困らないけどね‥今回のような事もある)


車に戻って漸く一息…
これは、今日のところは動けそうに無い。



「なんと言ったか?
太陽が黄色く見える??」


確か、過ぎればの喩えだったと記憶にはあるが…
そうなる前に、退散出来て良かった‥まあ、暫く女は勘弁して欲しいとは思う。


時計を見たら、朝の10時…
実に、12時間近くあの店に居た訳だ。



「・・次は、もう少し周到に計画を練らないと…」


その場の勢い程怖いものは無い‥今回の一件で嫌な程思い知った・・・



まあ、予想通り車でマンションに着いてから、ほぼ丸1日眠ったのは言う間でも無い・・・





会社には半月と言ってあるので、残りは東京で挨拶回り…
勿論、普通の格好‥スーツ姿だけで……


あの格好は少々辛いし、話し方も極力避けたいところ…
出来たら、あれ一度きりにして欲しいくらいには鬱陶しかった。


後々、あの格好が普通になるのだが、今のところは気楽な格好の方が私らしい。


駆け足で必要な企業や弁護士、代議士などに挨拶回りをし、会社に戻って来れたのは、本当に半月ギリギリになってしまったのは致し方ないだろう…


後々必要になる事を早めただけに過ぎないが。



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