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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第9章 穂向け
身軽にぴょんぴょんと木の根を渡り、それと同じくらい軽く言う童に神依は期待をこめて禊を窺うが、禊は無表情のまま首を軽く横に振る。
「……貴女は巫女です。巫女は神と、結ばれるものです」
「禊──」
 その言い方に、神依はすうっと禊の心が遠ざかるのを感じた。もう、季節が変わるくらいの月を毎日一緒にいた。だからこそ感じられる変化。
 そしてそれはおそらく、他でもない神依自身のために。
 「……巫女って、それだけなの? じゃあ禊は? ……私達は人を、好きになってもいけないの?」
「……それは……そのようなことは、ありませんが。……いずれにしてもひとまずは、そのお気持ちが収まるよう私も一ノ弟も精一杯力を尽くして参りますので」
「……」
じっと禊を見上げれば、禊は目を伏せるように行く先の道筋を確かめ、再び手を差し出してくれる。
 神依は無言のままそれを取り、並んだ童に問うた。
「……童は、それでいいの?」
「俺は──」
「一ノ弟」
言いかけた童を禊がいつものように制し、童は肩をすくめて神依を見上げる。
 それで神依も仏頂面を作り、川の音にかき消されそうな声で呟いた。
「……私、そんなの無理だよ」
「……」
 しかし禊の答えは、返ってこなかった。

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