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その唇に愛を
第2章 ▽ きっかけ
桜が咲いてもまだ肌寒さが残る4月上旬。
私は高校1年生になり、あと2時間後に迫った入学式に出るため「1-1」のネームプレートがかかった教室で待機している。
「講堂、楽しみだね!!」
私の後ろの席に座る彩香と一緒に。
別にそんな楽しみにしなくてもオープンハイスクールの時に見たじゃん、となだめると
え〜、と可愛らしくいじける。
その反応に、可愛いなと思う。
周りからクールでサバサバしてると言われる私、川崎美紅と
周りから女の子らしくて可愛いと言われる彼女、川本彩香
一見似ても似つかない二人だからこそ小学校から今まで特に喧嘩することなく親友としてやって来れたのだと思う。