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秘恋~ヒメコイ~
第5章 #4
お店を出て、圭吾と2人、駅までの道を歩く。


「俺さ、楓は瀬戸と付き合うんだと思ってたんだ」


「………!」


圭吾の口からいきなり直輝の名前が出たから、ドキッとして言葉に詰まってしまった。


「……なんで?私と直輝って喧嘩ばっかしてたじゃない」


内心ドキドキしているのを悟られないように、私は平静を装った。


「俺にはじゃれ合ってるようにしか見えなかったけどな」

圭吾が小さく笑った。



「俺の知らないこと……たくさんあったんだろうな」

「…………もう忘れちゃったよ。昔のことだもん」


私は笑ってみせたけど、うまく笑えたのか分からなかった ──。










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