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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第5章 秘書課の黒崎さん



「そう‥‥」


こういう、あらか様なのは珍しいけど、遠藤さんは私と紀永が2人っきりの時は、殆ど姿を表さない‥


私と紀永の関係を知っている、遠藤さんだからと言ってしまえば、それまでだとは思う‥
だけど、何となく不自然さも残る‥私の気のせいかな?



「・・・
後で戻って来るよ・・」


「・・・あっ・・・」


急に紀永に抱き締められて‥
此処、会長室だよ紀永!?



「少し‥ぬくもりが恋しいといったところかな‥
それに美紀は、無茶ばかりやっているようだしね‥‥」


「無茶なんか‥‥‥」


スーツ越しでも、紀永のぬくもりが心地良い‥
それに、抱き締められて、そんな事を言われたら、私の方がなにも言えなくなってしまう。



「流石に社内では、私はあまり手を貸してあげられ無い‥
それが少し辛くもあるのか‥分かっていても何も出来ないもどかしさ、会長の私では‥‥」


「十分に分かっているよ、紀永はそういうところは公平だもん‥
早乙女会長だもんね‥‥」


「美紀・・・」


ちょっと辛そうな紀永‥
早乙女会長という立場が、紀永がやりたい事を制限しているのは知ってる。


でも‥それが紀永の選んだ選択、そして誰よりも強い早乙女会長だって‥‥



「大丈夫、今の私はそんなに弱くない‥」


「それも分かっているがね」


「大丈夫‥そこまで心配しないで紀永?」


場所が場所だけに、紀永の頬に軽いキス‥
名残惜しいけど、私はそれだけで紀永から離れた。



「そろそろ戻らないと‥
また夜にね‥‥」


「ああ・・」


夜に‥そう言ったら、紀永は少しだけ笑った‥
それを見てから、私は会長室の扉を開ける。


あまり紀永に心配させたくない、そう思って・・・・・


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