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イタズラな満月(フルムーン)
第4章 2nd moon…見せた弱み。
振り返ると今にも泣き出しそうなくらいに焦った様子の雅が走ってきた。
夜中とは言え、実体のない物同士。走ろうと、叫ぼうと、周りには何も気付かれなかった。

『走って、どうした?』

しかし、そんなユトの言葉など聞くことしないかのように、雅は近寄るとぎゅっとユトを抱き締めた。

『ユト…』
『何、どうしたわけ?何なんだよ。』
『ユトのバカ…何で…っ…どこに行ってたの?』
『どこって。…いや、ちょっとそこまでな。なんで?』
『置いていかないでよ…お願い…1人にしないで…』
『アリス?』
『夜の病院とか、本と途中で目さめると怖いんだから!』
『怖くねぇだろ。何が怖いわけ?』

泣きじゃくる位な雅に、目を見つめたままユトは聞いていた。
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