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第1章 春

詩織side


茉莉が家に来てから落ち着かなかった

意識が翔んでいく中で聞こえた誠の声が気になる



蓮が血が繋がっていなかったら、どうするんだよ？


誠は、疑っているままだったんだ。。。


直樹に逢わなくては。。。

何となくそう思った


今日は、本屋に来る気がする。。。

好きな作者の新刊発売日だ

本屋に入ると、直樹がいた


詩織、来る気がしたよ？


今日、直樹変？


いつもなら、ベタベタさわってくるくせに、よそよそしい。。。

携帯を見せて、鏡のアプリを開いて私に見えるようにする

後方に、陸が見える


陸？


詩織、前を見て、笑っていて？


そのまま、会話すれば、聞こえない。。。


囁きながら話してくる


詩織、明日は昼間は時間ある？


ふふっ

明日は、偶然にも休みよ？


明日、朝9時にカフェで待ち合わせしよう？


直樹、仕事はいいの？


抜け出してくるよ。。。

昼間なら、アイツら学校だろ？


ふふっ

そうね？

じゃあ、明日９時にカフェでね？


直樹が私に笑いかけてくる


詩織、まだ他の高校生も見てる。。。


ふふっ

直樹、新刊、買うの？


え？

買うよ？

詩織は買わないの？


私は今日は、買えないかな。。。

予算オーバーだから？


何を買うの？


ふふっ

直樹、こっち


直樹の腕をひいて歩くと、陸と茉莉の凍りついた顔が見えた

反対側から、璃子と渚の固まった顔が見える


ファッション雑誌を見て、直樹に笑いかける


見て？

蓮と陸が載ってるのっ

全部、買うわ？

だから、新刊は買えないのよ。。。


直樹が雑誌を見る


本当だ。。。

すげーな？

でも、20冊くらいあるよ？

全部買うの？


大丈夫だって？

みんな、配るから？

ふふっ


持って帰れるのかよ？


陸に、運ばせるわ？

ふふっ


なるほどね？

俺が、全部買ってやるよ？

詩織は、他の本屋で買えよ？

どうせ、買いにまわってるんだろ？


いいの？

わーい

ありがとう

直樹、好きよ？


バカ。。。

聞かれるよ？


ふふっ