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好きになった人
第8章 夏―2.9
誠の車が来ると、陸と詩織が見える

二人は楽しそうに笑う

私と、目が合うと、陸が笑いながら手を振っている

手を振っていくと、陸が近づいてくる


おはよう?


おはよう?


笑い合うと、幸せだ


今日は、別々だな。。。?

大丈夫?


っ。。。大丈夫よ?



茉莉、行くわよ?


お母さんが、私の手を引いて誠の車に近づいていく

名残惜し気に、誠と詩織が話している

詩織を無視して、お母さんが誠に笑いながら話しかけて、助手席に座る

助手席に座った瞬間に、詩織が、すごく嫌な顔をしてる


茉莉ちゃん、おはよう?


詩織が、作り笑顔で笑いながら私を見る


おはようございます


じゃあと、詩織はお父さんの車に向かう


ねぇ?早く出発してよ?


はあっ。。。ゆり、後ろに乗れよ?


ため息をつきながら、お母さんを見る誠に同情する


いいじゃない?

隣の方が、都合がいいわよ?

それとも、奥さんに気兼ねしてるからかしら?


そうだよ、詩織の席だから座るな?


尚更、イヤよ?


笑いながら、楽しそうにするお母さんに負けている

ふと、お父さんの車を見ると、かわいい女の子が走ってくるのが見える

喫茶店のあの子。。。

あかりだ。。。


はあ?誰よ?

あの女は?

誠、誰よ?


お母さんが誠を睨んで、追及している


っ。。。詩織のヤツ。。。

はあっ。。。


だから、誰よ?

あの馴れ馴れしく、陸くんに、くっつく女は?


あかりちゃんだよ。。。

陸と一緒にバイトしてる

詩織のヤツ、ややこしくするなよ。。。


だから、何で、いるのよ?


陸が、私には見せない笑顔をしている

心が、痛い。。。

陸は、私を見ることなく、車に乗った

詩織が振り向いて、誠に手を振っている


じゃあねっ?


お父さんの車が、行ってしまった


残った3人は、唖然としていた


誠っ???


ゆり、落ちつけよ?

なあ?


何なの?

だから、嫌い。。。詩織が嫌いだわ


まあ、わざとだな。。。

詩織がおとなしくできるわけないし、まあ、仕方ないだろ?


旦那なら、何とかしなさいよっ?





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