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好きになった人
第9章 秋ー2
この先、私はきっと陸から離れない。。。

私はズルい。。。

でも、陸が好き。。。

優しい陸を見ると、笑いかけてくれる

陸は、まだ、あかりを好きなんだと思う

いつか私だけになる日は来るのかもわからない

詩織みたいに、ずっと忘れられない人になるかもしれない。。。

でも、それでもいい

私は、多分、陸以上に好きになる人は、いないと思う

結婚しても、幸せになれるかどうかは私次第だと思う

誠と、詩織の葬式の時に初めて見た父親は私には、見向きもしない人だった

絵に書いたような、仲睦まじい家族三人だった

奥さんに、気遣いながら、抱きよせていた

お母さんのひきつった顔は忘れられない

あんなに、大切な家族がいるのに裏切ることが、どうして出来るのだろう。。。?

何度も詩織のお母さんに頭を下げるお父さんは、ただ泣いていた

笑いながら寝ているように見える詩織は、最後まで、きれいだった

お母さんは、ただただ、固まっていた

みんな、幸せなんだろうか?

不思議な家族達を見た気がした

お父さんは、あれ以来お母さんに寄り添うよう、努力している

社長就任も決まっている

陸を後継者にすることは、誓約書がない今は、ただの口約束だけだ

口約束を、本当に実現出来るかは私次第だ

この先の長い未来は、わからない

まずは、陸と同じ大学に行くこと。。。

まだまだ、勉強しないと難しいけれど、陸のそばから離れたくない。。。


詩織は、幸せだったんだろうか。。。?

最後の顔は幸せそうだった

お父さんも、誠さんも、詩織だから好きだと言っていた

でも、詩織は本当に好きな理由は教えてくれなかった

陸は手強い

詩織とお父さんの子供だけあって、自由でつかみ所がない。。。

私も、陸のどこが好きかと聞かれたら、たくさんあるけど陸だから好きなんだと思う。。。

好きになった人が、自分を好きになってくれるかはわからない。。。

今はただやれることをやる

自分の幸せは自分で、掴んでみせる。。。


好きになった人のそばにずっといたいから。。。








fin


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