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第2章 夏

陸、そろそろ帰る。。。


送っていこうか？


ううん。。。

大丈夫


可愛くない女だな？

送って？って言えばかわいいのに。。。


ねぇ、陸？


ん？


私、かわいい女になりたいの。。。

詩織さんみたいに、柔らかく笑って愛されたいの

どうしたら、かわいい女になれる？


クスクス笑う

綺麗な顔なのに？

かわいい女って言われたいなんて欲張りだな？

茉莉は、綺麗ねって、言われてるからいいだろ？


イヤなのっ

かわいい女って言われたいのよ。。。

仕草も、会話もわからないの。。。

陸なら、詩織さんの近くにいるから、わかるでしょう？

教えてくれない？

かわいい女になる方法


クスクス笑う

こういう会話はかわいいよ？


真面目に言ってるんだけど？


わかった。。。

じゃあ、送っていこうか？


大丈夫よ？


クスクス笑う


何？


だから、うん、お願い？って抱きついて言えばかわいいって？


ええ？できないって？


かわいい女になりたいんだろ？


ハイ

もう一度、お願いします


お前、笑えるっ


真面目に言ってるんだけど？


わかってるよ

じゃあ、送っていこうか？


ギュッと抱きついて、陸を見る


うん。。。お願い？


クスクス笑う

笑えるっ。。。


もうっ。。。真面目に言ってるのっ


髪を撫でてくる


ごめんごめん。。。

かわいいよ？


ちゃんと、かわいい女になる方法、教えてよ？


ハイハイ


陸の家を出ると、陸はさっさと歩いていく

陸の背中を見ながら、不思議に思う

送っていこうか？って言ったくせに、一緒に歩かないなら、やっぱり送ってくれなくてもいいのに？


陸が、振り返り止まる


早く歩けよ？


歩いてますけど？


クスクス笑う

かわいい女になりたいんじゃないのかよ？


じゃあ、こういう時はどうしたらいいのよ？


陸に追いついて、聞くと耳元で囁いてくる


裾をギュッと握って、歩くの早いよ？って上目づかいに言ってみな？

クスクス笑う


ええ？無理っ


母さんは、よく言うよ？

父さんは言わせたくて、わざと早く歩いてる

茉莉は、詩織さんみたいになりたいんじゃなかった？


ええ？無理っ

ハードル高すぎるっ


誰も聞いてないよ？

クスクス笑う