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第2章 夏

どこかに電話している

茉莉、やめる？


何で？


だって、茉莉、泣きそうになってる


ふわっと、引き寄せられる


蓮さん？


慰めてあげようか？


え？


陸に悪いかな？


ドキドキが止まらなくなる


でも。。。？


クスクス笑う

冗談だって？

茉莉だけは、抱かないよ？


え？


心が痛い。。。


アイツの娘だからな。。。


私。。。帰ります

さようならっ


走り出していく

確かに、蓮にドキドキする

でも、一線は超えたくないって思った


陸も私を好きにならないだろう。。。


アイツのコーチの娘だから。。。


涙が流れてくる


そっか。。。やっぱり、私は、陸が好きなんだ。。。

認めたくなかった

好きになりたくなかった

どうしよう。。。

気づいた気持ちに心が追いつかない。。。


立ち止まり、公園のベンチに座る


電話が鳴り画面を見ると、陸からだ


もしもし？


お前、どこにいる？

兄貴が、急に走り出して行ったって、心配してたぞ？


陸っ。。。


何だよ？

泣いてる？

どこにいる？


公園。。。


どこの？


駅前。。。


そこに、いろよ？


電話が切れた


涙を拭いていく

ボーッと、時計を見る


何、してるんだろう。。。

帰ろう。。。


立ち上がり、駅に向かうと陸が見える


おい？

待ってろって言ったはずだよな？


陸。。。来たんだ？


電話で、泣いてたら気になるだろ？


陸。。。？


何だよ？


抱いて？


お前、何言ってる？


陸の手を握る


お願い。。。抱いて？


とりあえず、話をしよう？


公園に戻りベンチに座る


どうした？

兄貴の話だと、割と四人はうまくいったんだろ？


うん、多分。。。


じゃあ、何？


う。。。言えない。。。


陸が好きなんだって気づいたなんて、言えない。。。


こないだは、何となく、そういう関係になったけど。。。

茉莉を抱く気は、もうない。。。


っ。。。何でよ？

私の処女、奪ったくせに。。。


ごめん。。。

茉莉だけは、抱けない。。。