この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 聖夜の恋人
「君が見合いしていると聞いて、君を失うかもしれないと初めて思い知らされたのだ。…私の行動が美しくなくても無様でも構わない、君を取り戻したいといても立ってもいられなくなった…。
もし君がまだフロレアンを愛していたら、フロレアンを忘れてくれる日まで側で待ち続けようと決めたのだ」
男の不器用な愛の告白を聞き、光は涙ぐむ。
「…馬鹿ね、貴方…。私は貴方にずっと前から惹かれていたのよ…」
「…光さん…!」
二人は強く抱き合う。
しかし光はふと不安気に目を伏せる。
「…でも私達、最初からお互い少しも好みではなかったし…」
縣は魅力的な目元に人好きする笑みを浮かべ、光の頬にキスをする。
「…今では君以外、誰にもときめかない。君もそうだといいな…」
光は照れたように俯く。
「…貴方の全てが好きよ…」
「光さん…!」
光の顔を上向かせ、くちづけしようとするのを美しい手で押し留める。
「…最初、私は貴方に憎まれ口を聴いてばかりだったわ」
縣は光の髪を優しい父親のように撫でる。
「…素晴らしく可愛かったよ。君は怒っても美しいからね。もっと怒られたかった」
光は焦れたように唇を尖らす。
「もう…!どこまで優しいの⁈私をそんなに甘やかしてどうするつもり?」
「…私は恋人はとことん甘やかす主義なんだ。…光さんには…私が跪いていつまでも愛を乞いたい。…君の愛を得られるなら、どれだけひれ伏しても構わない。君は私の全てだから」
「…縣さん…!」
感極まりそれ以外言葉が出ない光に、縣はやや焦れたように手を握りしめ、唇を押し当てる。
「…君への愛はいくらでも囁ける。…けれど今は…君が欲しい…!」
そう言うやいなや、縣は光の唇を貪るように奪う。
「…あ…っ…んん…っ」
「…欲しい…」
濃厚なくちづけを繰り返しながら、華やかな縮緬の帯揚げを器用に抜き取る。
光ははっと目を見開き、縣の手を止める。
「待って…」
「どうしたの…嫌なの…?」
しかし、縣は手を止めようとしない。
光は首を振る。そして、頬を朱に染めながら呟く。
「…私…自分で着付けができないの…ずっと洋装で育ったから…」
縣はなんだというように笑う。
「大丈夫。…心配はいらないよ」
「…え?」
桜貝のように薄桃色の耳朶を噛みながら囁く。
「私は着物の着付けもできるんだ」
光は目を見張り、そのまま男を睨む。
「…なぜかは聞かないでおくわ」


/133ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ