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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第3章 16区の恋人
翌日から光は16区のロッシュフォール家別邸に移り住んだ。
ジュリアンもいる応接間で、縣は光に家政婦アンヌを紹介する。
「光さん、ここを取り仕切ってくれている家政婦のアンヌだ。私は彼女にはすっかりお世話になっていてね。君もわからないことがあったらなんでもアンヌに聞いてくれ。
アンヌ、こちらは麻宮光さん。彼女の従姉妹は私の元婚約者でね…。フランスへはリセの頃から住んでいて、今はソルボンヌ大学の学生だ。…事情があって休学しているので、その間私の秘書として働いてもらうことにしたのだよ」
光は綺麗な動作で立ち上がり、手を差し伸べる。
貴族の令嬢らしい気品とそして威厳をそこはかとなく感じさせる所作であった。
「初めまして。麻宮光です。これからよろしくね、アンヌ」
アンヌは慎み深い性格なのであからさまな好奇心をむき出しにはしない。
けれどその彫りの深い眼差しで光をしっかりと観察する。
アンヌの目に、抗い難い讃美の色が浮かんだ。
「こちらこそよろしくお願いいたします。…まあ、何とお美しいお方でしょう!アガタ様といい光様といい、ジャポネの方は皆このようにお美しい方ばかりなのですか?」
「そうさ。アンヌ。僕のママンも美人だろう?」
ジュリアンはアンヌにウィンクして見せた。
「ロッシュフォール夫人はよく存じ上げております。私の母と京都で茶の湯のお師匠様が同じだったそうです。
帰国した折に、フランス大使館で優しくお声をかけていただきました。大変お美しい大和撫子でいらっしゃいましたわ」
「へえ!ヒカルはママンに会ったことがあるの!」
ジュリアンも嬉しそうに目を見張る。

ジュリアンの母と旧知と聴き、アンヌは一層光への信頼を深めたようだ。
そうでなくても今日の光はどこから見ても、完璧なレディだった。
縣が密かにギャラリー・ラファイエットの外商に届けさせた濃紺のドレスはやや丈が短めに活動しやすくデザインされているが、非常にエレガントで光のオリエンタルで神秘的な美貌を良く引き立てていた。
美しい黒髪はきちんと結い上げられ、縣がプレゼントしたサファイアの髪留めが品良く飾られていた。
…昨日までバルベスにいて場末のバールで働いていた女性と同一人物だと誰か思うだろう。
縣は光の輝きと華やかさに満ちた美貌を垣間見ながら、満足げに密かに微笑んだ。
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