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背徳の主
第8章 顧客NO 041323C 希
希は大学の必須科目である化学実験を受講していた。

1学年の定員は80名のため、5人一組の16グループで与えられた実験をこなす。

約7割が女子のため、各実験テーブルは賑やかな雰囲気で実験が行われいる。

今日の実験テーマでは、必要データを導き出すのに時間が掛かり、午後1時にスタートしたのだが、終了したのは午後9時を過ぎていた。

仲の良い同じグループの友達から一緒に夕食を誘われたが、希は友達とはしゃぐ気になれず帰宅することにした。

大学近くの駅から私鉄電車で5つ目の駅で降りた。

駅構内のバーガーショップでハンバーガーとポテトを買い、徒歩15分の希が借りているマンションへ歩き出す。

商店街を抜け、住宅街へと向かう途中の比較的大きな公園の中を歩く。

昼間は問題ないのだが、夜間は公園の照明が暗くて女性の独り歩きには不向きだった。

希は少しだけ早足になり、公園を抜けた。

公園を出て住宅街へ向かう途中、前方に黒いミニバンが停まっていた。

ミニバンのドアのところで男が地図を調べている。

希はそのまま素通りしていると、男から声を掛けられた。

「あの……すみません、道に迷ってしまって。ここがどの辺りかわかりますか?」

希が出された地図を確認しようとした時だった。

突然、ミニバンのサイドのドアが開き、別のが出てきて希の口にビニール袋を被せた。

希は男に抵抗するうちに意識を失った。




希は二日酔いみたいなの気分の悪さ感じて目が覚めた。

見知らぬ20畳ほどのリビングで男たちはゲームをしている。

希はまだ状況を把握できていない。

マットレスから体をお越して自分を見ると、服は着てなくブラジャーとパンティだけ。

( 私は男に何かを嗅がされた…)


ゲームをしていた1人の男が振り向いた。

「おや、目が覚めたみたいだ。」

すると残り3人も一斉に振り向く。

「じゃ、希ちゃんが目覚めたことだし、歓迎会を始めるか!」

男達はニヤニヤしながら立ち上がった。

希は両腕で胸元を隠し、マットレスの隅に逃れた。

「あなた達は誰? 私を帰して!」

男達はマットレスに近づくと、服を脱ぎ始めた。

望は既にこの男達に犯されるのを察し、恐怖に怯えていた。

1人の男が望の両腕を引き寄せ、

「さぁ、来るんた。」

希は再びマットレスに寝かされた。

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