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愛憎
第15章 感情
萌とゆうは、澤村家のリビングで夕飯を食べていた。

綺麗に卵をくるんっとした、中身がバターライスのオムライス。

「萌ちゃん、とろけるチーズ好き?」

「好きー!」

「うちの娘がオムライスの卵の下にとろけるチーズ入れるのが好きでね。
萌ちゃんにも居れておくね。」

「わぁーありがとうございます!」

そんな会話をしながら、萌はサラダとわかめスープを並べた。

「萌ちゃん、ちゃんと家でお手伝いしてるみたいねぇ」

わかめスープは萌が作った。

「ああ、うち、お父さんが早く亡くなってるから、お母さんが仕事に出てて、夕飯作って、いつも待ってるの」

「ああ…そうだったわね…」

ゆうは目を伏せる。

萌の母は、萌の父が亡くなってから、その前までパートで結婚する前まで勤めていた会社に頼み、また社員として働いていた。

父の入院生活が長かった分、そして、当時骨髄バンクなどが盛んになっていなかった為、亡くなった直後こそ憔悴していたが、
「お母さん、萌を守るために頑張るね!」
そう言って、がむしゃらに働いていた。

それでも、休日はどこかに連れて行ってくれるし、一緒に家事をしたりして、ここまで来た。


「私が成人してからかな…お母さん再婚するの…」

そう言う萌に対し、ゆうは

「まこちゃんと偉い違いね〜。
あの子、お父さんが再婚してから、ちょっと…って感じだしね。
やっぱり、女の子の精神年齢は男の子より高いわね〜」

と言った。

「…でも、私もまだ子どもです…。」

「そーお?そんな風には見えないわ」

ゆうは言った。


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