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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第2章 憧れの……

「クラス会と言っても結局いつものメンバーだから、集まろうと思えばいつでも集まれる。今日は気分がのらなくて帰ってきただけー」

「……」

嘘、だった。

伊月( イツキ )が嘘を言っていることは花菜に筒抜けだ。

彼女は知っている──友人の多い伊月は遊びの誘いが絶えず、なのにそれを断り続けていると。

飲みもカラオケも旅行にも行かないし、行ったとしても途中で抜けて帰ってくる。

お前、最近付き合い悪くね?

伊月が持つ電話の向こうから、相手の男のそんな言葉が聞こえてきたのは1週間ほど前だろうか。

“ 最近ってことはやっぱり、わたしが…この家にいるからかな ”

自分は伊月にとって邪魔な存在なのではと…花菜は近ごろ考える。

離島の実家から東京に出てきて伊月のアパートに転がり込んだ居候(イソウロウ)の身としては、そう悩んでしまうのも当然なのだ。

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