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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第11章 虚しさという名の快楽

「こんな……こんな小さな穴で、よく耐えたよ」

グチ..

伊月はひと指し指の…第一関節が埋まるくらいを蜜口に差し込む。

「…ッ…痛かっただろう?」

このまま中を掻き混ぜたら傷口はますます広がる。

これだけドロドロに溶けておきながらも、それに見合わない小さな入り口では何であろうと凶器だ。

それがわかっている伊月は、指を呑み込もうとうねる肉壁をあしらいながら指の先で彼女の体温を感じていた。


“ ここに…男の汚いモノを受け入れたんだね ”


花菜の処女が散らされた──

昨夜はあまり考えないようにしていた事だ。

何故なら自信がなかったから。

昨夜の伊月は、花菜を犯した男への怒りと、苦しむ彼女への憐れみで取り乱しそうな自分を抑えるのに必死だった。

可哀想な花菜を前に、兄である伊月が取り乱すわけにはいかない。…そういう意味では臆病になっていたのだ。


勿論、今だって…………


「──…!」


今だって、僕は


「僕 は‥‥‥」


花菜を襲った非情な出来事に、心を痛めている




「‥‥‥フ」




勿論──その筈、なのにね




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