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第2章 彼女との関係―柚希side－

清和会総合病院ーーー・・・

「仁科さん、佐々木さんのバイタルは？」

「安定しています。相馬先生」

「そっか…サンキュー」

俺は昨日手術した佐々木さんの容体を看護師の仁科さんに確認してナースステーションを出て、医局に戻った。

午後からカンファレンス。その前に腹ごしらえしようと備え付けの電気ポットのお湯をカップ麺に注いでいた。

「御曹司のランチにしては侘しいな…相馬先生」

「御曹司は余計ですよ。医局長」

医局長の渚和樹(ﾅｷﾞｻｶｽﾞｷ）医師が俺をからかう。
彼は元アイドルグループ『バリュー』のメンバーで高木院長の甥。
アイドル時代、心臓病で恋人を亡くし、アイドルを引退して医大に進学。彼は心臓外科医となり、多くの命を救っている。

俺も将来を誓い合った幼なじみを心臓病で亡くした。
医局長とは同じ境遇。個人的に親しみを感じていた。