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支配~control~
第6章 新しい出会い
昨日は楽しかった。
本当に、本当にすごく楽しかった。

でも、その分、昨日の純さんの様子がおかしくて、不安が一気に押し寄せてくる。

足速に流れていく街並みを見つめながら、ずっと純さんのことを考えていた。

「あの...純の...」
声がする方を振り向くと、昨日会ったあの人。

そう、この人と会ってから純さんの様子が変わったんだ。

「あ、おはようございます」

「昨日はどうも」

「いえ、えっと...陸さん、でしたよね?」

「あ、うん...えっと...」
陸さんが何を求めているのかわかって答えた。
「あ、茜と言います」

「...茜ちゃん」
何かを考えるように見つめられ、一瞬戸惑う。
「陸さんと純さんはどういう...」

「ああ、純とは学生の頃からの付き合いなんだ」

「そうだったんですね」
ニコッと微笑むと陸さんも笑い返してくれた。

「あいつと付き合ってるの?」

「えっと、付き合って...るのかな」
付き合おうと敢えて言い合った訳でもなく、純さんとの関係がいまいちよく分からなくて曖昧に答える。

「そっか...」
陸さんはそう言ったまま、電車の揺れに身体を任せ黙ってただじっと外の風景を眺めていた。
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