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第5章 伝わらない想い

いつものように会話をしながら食事をするけど、その内容は全く頭の中に入ってこなかった。
オムライスの味もよく覚えていない。

「美味しかった」
彼女の笑顔に笑って返す。

けど、俺はちゃんと笑えているのか？

それすら、今はわからない。

「送ってくれてありがとう。それじゃ...」

扉の中に消えていく彼女の姿。

...。

キミは今から一人になって誰のことを考えるんだ？
誰のことを想う？
キミの頭の中にいるのは、今は誰？


咄嗟に、消えかけていた彼女を引き寄せていた。