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サイドストーリー7
第16章 王子の甘い罠
「え?すみれさん、エッフェル塔に登ったことないの?」

ビックリしたように言うけど。
エッフェル塔って確か入場者はほとんどが外国人のはずよ。
まぁ私もココでは外国人ですけど。

「ふ~ん」
と宮本くんが何気なく言ってその話は終わった。
そんな話をしたことさえ忘れていたころ
仕事が終わった後に
「さてすみれさん、行こうか」
宮本君が笑った。

連れて来てくれたエッフェル塔の下は
いつものように大行列で
「ここはいつも混んでるわね」
エッフェル塔は入場するのに1時間は並ぶ。
これが普通だ。
「まさか今からこれに並ぶつもり?」

「今日は、ちょっと秘策がある」

そう言ってエッフェル塔内のレストラン直通のエレベータに私を乗せる。
「これなら並ばないからね」
「この時期に良く予約が取れたわね」
エレベーターに乗ってレストランへ着くと
パリは日没が始まったばかりだった。

夏のパリの日没は遅い。
22時になってやっと暗くなる。

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