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第2章 面談　■早耶香編①■

　藪下が顔を横に向け、窓の外を眺めながら言う。

「魚谷は受験生だし、なかなかアルバイトをする時間もないし、大変だろうと思う。そこでだ。１つ良いアルバイトを紹介したいと思う。この夏休み、ほんの数日間だけ割いてくれれば、２０万以上のバイト代を支払うことにしよう」

　魚谷（うおや）というのは、早耶香の苗字だ。

　藪下の話は、早耶香の予想どおりのことだったにも関わらず、早耶香は目を見開いて驚いた。

　驚いたポイントはもちろん、その破格の報酬だ。

　こんな金額を提示する藪下だったが、決して高給取りというわけではない。

　では、どこからこの資金が出てくるのかというと、実は数ヶ月前に、宝くじで１００万円を当てたのだ。

　絶句する早耶香に向かって、藪下が平然と話を続ける。

「金額に驚いたかもしれないが、そんなに楽な仕事じゃないから当然だ。はっきり言ってしまうと、ヌードデッサンモデルの仕事なんだ」