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美術教師の羞恥奴隷
第4章 剃毛 ■早耶香編①■
 だが、早耶香のこのリアクションは想定内のものだったらしく、藪下は少しも動じない。

 藪下は右手でVサインを作ると、早耶香だけに聞こえるような小さな声で言った。

「モデル代にこれだけ上乗せしよう」

 早耶香には「2万円上乗せ」ということだとすぐに分かった。

 それでも、これだけの人数の男子たちが見ている前で、剃毛されるなんてことは、早耶香にとって容易に承諾できる話ではない。

 ただ、少なくとも早耶香の心が少しだけ揺れたのは紛れもない事実だ。

 その様子を見て、今度は右手で「3」を指し示しつつ言う藪下。

「これでどうだ? 嫌ならここでやめて帰るといい。その代わり、前払いで渡した金額以上は出せなくなるぞ」

 こう言われてしまってはもう、早耶香に選択肢はなかった。

 剃毛などはもはや、ヌードデッサンモデルの主旨から大きく逸脱した行為だと早耶香も重々分かっていたのだが、いかんせん多額の報酬があまりにも大きな誘惑だったといえる。




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