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第12章 ある計画・加藤

その年のお盆休みに田舎に
帰った時に彼女の両親に
交際の許しを頂くべく
彼女の家を訪れました。

お父さんは私を見るなり
苦虫を噛み潰したような
表情になりました。

恐る恐るお父さんの前に座って
「娘さんと結婚を前提として
交際させて下さい」と、
言うとお父さんはじっと
私の目を見詰めて
「不束な娘ですが宜しく
お願いします」と言って
下さいました。

たぶん私の経歴が
物を言ったんだとは
思いますが殊（こと）のほか
上手く行って胸を撫で下ろした
私でした。