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恋の行方を探してください【完結】
第31章 【三十一話】父と同じセリフ
 由臣が声を掛けた男性は、課長と思われる男性のところへ行き、何事か話をしていた。男性が遠ざかると、鳥肌が落ち着いた。
 課長は驚いたように立ち上がると、慌てて由臣の元へと駆け寄ってきた。その途端、また鳥肌が立つ。やはり、男性が近寄ってくると鳥肌が立つ、というのは健在のようだった。御庭番たちが例外ということなのか、と美哉は改めて知った。

「小早川さま!」
「あんたが検品課の課長?」
「あ、はい、そうですが」
「カナヤマのことでちょっと聞きたいんだが……」
「それでしたら、隣のお部屋へ!」

 と案内され、由臣と美哉の二人は隣の部屋へと課長とともに入った。隣の部屋に移っても、課長が男性である限り、鳥肌は治まらない。

「先ほどの男性にカナヤマのことを軽く聞いたんだが、いつから来ていない?」
「先週の月曜日から来ていませんね」
「連絡は?」
「金山は実家暮らしでしたから、連絡をしたのですが……実家にも連絡がつかなくて、困っているところなんです。今までの勤務態度もよくないので、これ以上、連絡がなければ、解雇する話になっています」
「……解雇」

 そういえば槇は、ジュエリー・コバヤカワで、解雇するという話は聞かなかった。これが普段の勤務態度の差なのだろうか。

「勤務態度が悪いとは?」
「仕事もせず、私用メールをやたらにしていましたし、無断欠勤は普段からですし、それに遅刻も多いですね。あとは……やたらと噂好きで、最近では総務部の女性の悪口を言いふらすことに熱心になっていましたね」
「その噂とは?」
「なんでも、金山の彼氏を寝取った挙げ句、結婚を迫っているらしいということでした。『アタシが彼を救うんだ!』とわたしにも告げてきたので、彼を救う前にわたしを救えと言ったんですけどね……。人手が足りてないのに、働いてくれないから……ここのところ、残業続きで……」
「分かった。それは上に情報として上げておこう」
「あ、すみません! とにかく、金山は正式に解雇になります。もし見つかったら、伝えてくれますか、クビだって」
「あぁ、分かった。伝えよう」
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