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恋の行方を探してください【完結】
第32章 【三十二話】第一の死体
 そのことに気がついたらしい由臣は、美哉の名を呼んだけれど、美哉は頭を小さく振って、由臣の胸元に額を擦りつけると、ぎゅっときつく目を閉じた。

 ジュエリー・コバヤカワでも、小早川食品でも、男性が近寄ると、相変わらず鳥肌が立っていた。
 だけど、どうしてだろう、由臣は最初から鳥肌が立たなかった。そればかりか、いきなりキスをしてきた相手だというのに、嫌悪感を抱けなかった。
 由臣は、黙っていれば、少し濃い目ではあるけれど、整った顔をしているのもあり、イケメンではある。
 美哉の父は、男性にこういう形容詞をつけるのはおかしいのかもしれないけれど、たおやかで、儚げな感じはしたけれど、それでもこちらもイケメンだったと、身内びいきを差し引いても思う。由臣と父親を比べると、ベクトルが反対方向を向いているイケメンだ。
 美哉の男性の見た目の好みを改めて考えてみると、ファザコンと言われてもいい、父のような少し女性的な見た目の男性が好きだ。
 となると、見た目だけで言えば、伊吹が好みかもしれない。男性の格好をしていると、たまに見とれている自分がいることに、美哉は気がついていた。
 背が高くてがっしりしているせいで男性的に見えるけれど、勝千代もどちらかと言えば、顔だけは少し女性的で優しげだ。
 吟太はというと、由臣に反発しているとおり、同類嫌悪みたいな感じで、似ている。とはいえ、こちらもイケメンの部類に入る顔立ちをしている。
 となると、由臣本人も含めて、いい男だらけで、真那も言っていたが、いい男を侍らせている状況というのはよく分かった。

 と、先ほどのことを忘れようと、違うことを考えたけれど、ふとした拍子に見ていないけれど、死体を想像して、美哉はぞっとした。
 ふるり、と震えると、由臣が慰めるようにぎゅっとさらにきつく抱きしめてくれて、なだめるように背中を撫でてくれた。
 そうすると、緊張がとけてきて……こんな状況だというのに、美哉は由臣にもたれたまま、眠ってしまった。
 そのことに由臣は気がつき、小さくため息を吐く。
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