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恋の行方を探してください【完結】
第40章 【四十話】これはご褒美です
 美哉は勝千代の剛直を擦っていると、勝千代の手で止められた。

「気持ち良すぎて出るから……」
「これが……ナカに入ったの?」
「そう」
「ね、勝千代。このまま挿入(い)れて」
「それは美哉さんのお願いでも、駄目」

 勝千代はかなり困った表情で美哉を見ると、頬にチュッとキスをしてきた。

「挿入れたいのは山々だけど、おれは責任が取れないから」
「……勝千代の子、欲しいの」
「あー、どうしてそういう理性が吹き飛ぶようなことを言うのかなぁ、美哉さんは。もう、それだけでおれには充分なご褒美なんだけど」
「……そう、なの?」
「あぁ。他の御庭番にも同じようなことを言うかと思ったら、すっごい嫉妬するくらい、嬉しい」
「私……なんにもないから。この身体で御庭番にお礼ができるのなら……」
「うん、充分過ぎるよ。……そっか、これはご褒美なのか。ちょっと浮気かなとか思ったけれど、ご褒美と思えばいいのか」

 それにしても、と勝千代は続けた。

「美哉さんのご褒美は、ちょっと刺激的過ぎるね」
「ね、勝千代。私のこと、嫌いにならない? こんな色仕掛けして、私、勝千代が離れて行くんじゃないかって不安で……」

 そう口にして、美哉はようやく自分がどうしてこんなことをしようとしたのか分かり、すとんと腑に落ちた。

「美哉さんを嫌いになる? そんなこと、あるわけないだろう? 大好き過ぎて、美哉さんがこんなすてきなご褒美くれるのなら、もっとおれ、頑張ろうって思えるんだけど」

 そう言って、勝千代は美哉の胸元に指を這わせた。

「このキスマーク、由臣がつけたんだ?」
「え……? な、なにこれっ!」

 勝千代に指摘されるまで美哉は気がついていなかったが、昨日、由臣に付けられたキスマークが身体のあちこちに散らばっていた。

「あいつは美哉さんに生で突っ込んだ?」
「っ!」
「そっか。本気なんだ……。おれも本気だけど、責任取れないし、ご褒美だから、美哉さんに気持ち良くなってもらって、それでいいから」
「それだと、ご褒美にならないっ」
「んー、おれたち御庭番は、美哉さんに気持ち良くなってもらって、喜んでもらって、それがご褒美なんだよ? おれの手で気持ちよくなってもらえて、それでおれも気持ちよくなれたら、それで充分」
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