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恋の行方を探してください【完結】
第41章 【四十一話】正当化
 目が覚めたら、目の前になぜか由臣の怒った顔があった。
 美哉はぼんやりとした頭で、どうして由臣がいるのか分からず、寝ぼけた頭で由臣の頬を軽く叩いた。部屋にぺちり、と間が抜けた音が響いた。

「手が早いな」
「近寄らないでっ」
「んー、そういうわけにもいかなくてな」

 もぞり、とナカで不穏な動きがあり、美哉は目を見開いた。

「ぇ、な、に、これっ」
「勝千代に抱えられてここに戻ってきたとき、さすがに嫉妬に震えたけど、美哉にしがみつかれて、『由臣さん、ナカに注いで』と言われたときは、すげー萌えた」
「そんなことっ!」

 言っていない、と言う前に、由臣はスマホを取り出した。

「ここに証拠がある」
「え」
「聞きたいか?」
「いえ、え、遠慮し……」

 それが事実であっても、聞きたくなかった。
 拒否をする前に由臣はスマホを操作して、録音したという音声を流し始めた。

『由臣さん、身体が疼くんです。助けて……』

 機械越しの声は、美哉がいつも聞いている『自分の声』とは違って聞こえたけれど、それは確かに美哉の声だった。

『勝千代、美哉になにしたんだ』
『なにって……普通に抱いただけだが』
『ご褒美なのっ、勝千代を怒らないでっ』
『ご褒美……ねぇ』

 由臣のため息と思われるものが思いっきり聞こえて、美哉は思わず首をすくめたが、それは録音されたものからのものだった。

『すごく、気持ちよかったの』

 恥ずかしげもなくそんなことを言う自分の声に、美哉は真っ赤になった。

『でも、気持ちよくなればなるほど、奥が疼くの』
『勝千代』
『……あぁ。おれは部屋に戻る』
『悪いな』

 由臣のそんな言葉が聞けるとは思わず、顔を見ると、特に表情は変わっていなかった。

 とそこで、録音は終わったようでぷつりと音が途切れた。

「この後のも聞くか?」
「もっ、もういいです!」
「そっかー、残念だなー」
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