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恋の行方を探してください【完結】
第44章 【四十四話】吟太もお見合い
 成り行き上、伊吹と廊下でセックスをしてしまった美哉だったが、身体の疼きが治まるどころか、ひどくなっていることに気がついた。
 伊吹は、ふらふらしている美哉を心配して、部屋まで送って行こうと言ってくれたけれど、それを断り、今度は吟太を探すことにした。
 ふらふらしながら一階に降りると、そこはトレーニングルームになっていて、吟太がいた。

「吟太……」
「どうしたんだ、美哉?」
「ね、吟太も今日、お見合いしたの?」

 吟太はサンドバッグの前にいて、先ほどまで殴っていたようだった。
 首に巻いたタオルで汗を拭きながら、美哉に近づいて来た吟太にそう問えば、苦笑された。

「耳が早いな。そ、お見合いしてきたよ。相手と結婚することにした」
「そうか……。おめでとう」
「うん、ありがとう。でも、御庭番は辞めないぜ」
「吟太は……それでいいの?」
「ん? あぁ、今さら、会社員になる気にもならないし。それに、なによりオレ、美哉のことが好きだから」

 そう言って、吟太は美哉の腕を引っ張り、抱きしめて来た。

「そんな赤い顔して、オレのこと、誘ってるの?」
「や……ちが……わなかも」
「正直でいい」

 吟太は手短にあったマットレスを広げると、美哉の身体を押し倒した。

「って、美哉、だれかとやってきた?」
「……伊吹と」
「はー、あいつもお見合いしたはずだし、こういうの、うるさいと思ってたのに」
「……勝千代とは昨日……」
「マジかよ! あいつこそ、倫理観にうるさそうなのに」
「ご褒美だから」
「ご褒美?」
「御庭番のみんなの思いに応えるには、私の身体しかないから」
「美哉は自己犠牲の精神が強すぎだよ。好きでやってるのなら止めないけど、無理してるのなら、止めなよ? オレも止めるから」
「無理してない! ん……、身体……が、疼く、の。だから、ね、吟太。抱いてっ」

 離れて行こうとした吟太の腕を引っ張り、美哉は引き止めた。

「そんなに言うなら、止めないよ?」
「ん、止めないで」
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