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恋の行方を探してください【完結】
第44章 【四十四話】吟太もお見合い
 そう言われてしまえば、美哉ももう抱いてなんて言えない。
 由臣に処女を奪われるまで、美哉の倫理観は普通の人よりもかたかったはずだ。それなのに、由臣を知り、伊吹を知った辺りから、自分の中でなにかが壊れてしまった。

「美哉、由臣の想いを受け入れてやれよ」
「……由臣さんと私、不釣り合いです」
「今のご時世で不釣り合いって、それはおかしいよ。それに、美哉、今の美哉の立場は、由臣より上なんだぞ? それで釣り合いが取れないっておかしいじゃないか」
「……だから与頭は小早川のナンバーツーなの?」
「あぁ、そう聞いている。当主が周りの者に文句を言わせないために作った制度とも聞いている」

 それでようやく、与頭という地位と立場の意味を理解した。

「先に言っておくが、古坂は無理だからな」
「っ!」

 先を読まれて、美哉は吟太を思わず睨み付けた。

「どうして由臣は嫌なんだよ」
「……イケメンで、御曹司だから」
「それだけが理由なのか?」
「後は、色々と面倒くさいところ」
「面倒くさいところが嫌ってのはよく分かるけど、嫌いな理由はそれだけなんだな?」
「後は……」

 吟太に聞かれて、嫌いな理由がこれ以上、出てこないことに愕然とした。

「じゃあ、好きなところは?」
「…………」

 そう聞かれて、こちらは具体的な言葉はなにも出てこなかったけれど、由臣のことを思い出しただけで、心臓がどきどきと音を立て始めた。

「好きには理由がないけれど、嫌いには理由があるって、由臣が言っていた」
「はい、私も聞きました」
「じゃあ、相手を思い出して、どきどきしたら、それは好きの合図だ。今、由臣の好きなところはどこかって聞いた時、美哉の心拍数が上がった。ってことは、美哉は由臣のことが好きなんだよ」
「……吟太の意地悪」
「うん、今の顔、すっごくかわいかった。やっぱさ、美哉は由臣のことが好きなんだな」

 そうじゃないと言いたかったけれど、思い出しただけで心臓がどきどきとし始めたので、美哉は口を開くことができなかった。
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