この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第19章 【十九話】名前が違います!
 美哉が言葉を続けようとしたら、真那は首を振った。

「美哉さん、一つ聞いていいかしら。三男の助手ってのを受け入れたのは」
「仕事だからです」
「じゃあ、与頭も仕事と思えばいいわよ」
「…………でも」
「戸惑うのはすごく分かるわよ。いきなり小早川のナンバーツーって言われたらね。でも、そうなったところで、あなた自身になにか変化があった?」
「いえ、ないです……」
「それなら、ちょっと役割が増えたとだけ思えばいいのよ」

 と真那はそう言うと、笑みを浮かべた。

「わたし、こう見えても三人の男の子のお母さんなんだけど」
「……えっ」
「よく驚かれるけど、そうなのよ。会社に来たら登録班で管理をしてるけど、家に帰ったら、お母さんと妻という役割があるわけ。それと変わらないと思うのよね」

 と真那は言うが、そういうものと一緒にしてもいいのだろうか、という戸惑いは大きい。

「だれもが生きている限り、なにかを演じていくわけよ。その演じるものを自らが選ぶか、立場上、やらなければいけないのか、強制的にさせられるか。その違いは重要だけど、でも、生きている限り、なにかを演じなければならないの。だったら、無理矢理させられていても、人生は一度きり、楽しまないと損じゃない?」

 真那も美哉と同じく、自ら選んでその役割をしているわけではない。その人物からそう言われてしまえば、もう嫌と言えなかった。それに、人生一度きりだから、楽しまないと損、という言葉はよく分かった。

「……そう、ですね。分かりました。それでは、お願いします」
「はい。……なんか無理矢理、わたしの都合で丸め込むようなこと言って、ごめんなさいね」
「いえ、なんというか、吹っ切れました。私は私の居場所を作るために、その役割、受け入れることにします」
「うん、それがいいわ。それじゃ、急いで作ってくるわね」

 真那は今度こそ立ち上がると、二人に視線を向けた。

「なんてねっ。実はもう、登録は済んでいるし、カードもできてるの」
「……え」
「後は網膜認証と指紋認証したら終わり」
/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ