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古傷
第2章 第二章
ネオンが光る店内にゆったりと流れる音楽に個室
こんないかにもな店で行われる合コンなんてろくでもないものにしかならないことは、経験から知っていた

「あ、おそーい。ふみの事待っていたのに」
そして、私の到着を待たずして行われていた合コンにそのなかで既に軽く酔っているらしく、ミカは隣にいる男性にべったりとくっつきながら飲み干したカクテルグラスを傾けていた

しかし、遅いも何も私は伝えられた時間通りに来たしそれが彼女の戦略でもあることは当然わかっているし
それにわざわざ怒ることはしない。

私の評価など下がっても痛くもない。
寧ろ都合が良いくらいだ

そんなことよりも今回の目玉にされた憐れな人物に目をやって驚いた。
なんと一ヶ月前にあった彼だったのだ
向こうも私に気がつくと目を見開いて会釈を返した
その様子を見ていた彼女が眉を寄せて、わざとらしく腕を引き寄せ薄気味悪い笑みを張り付け

「二人とも知り合い?」

「えっ、あぁはい」

「えー?そうなのぉ?」
彼がそう答えると明らかにこちらに威圧をかけてくるような目配せをしてきた

たらりと冷や汗が伝う、咄嗟に嘘を吐いた

「いえ、その方は知らない…かな。ちょっと似てたから、ごめんなさい」
長年もの癖、私は彼女等には逆らえない。
だから、彼女からの被害を被ろうとこんな会にも参加しなきゃならない

「なんだぁ、ふみちゃんのドジっ子」

「じゃあ、座るね」
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