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恋は盲目
第1章 私の片想い
ううー

今夜は塾に行かなくちゃならない。
塾に行けば総司君と会わなくちゃいけない。
今までは総司君に会えると浮かれていた塾に行く前の時間も今日は気が重い。

こっぴどくフられた訳ではないとわかっていても
ダメだったものはダメなのだ。


・・・・・気まずい。



世の中の、告白してフられた人はこんな気持ちになっていたのか!
今まで告白してきてくれた人達、ありがとう!
こんなに勇気のいることだったなんて知らなかったよ!


わーわーわー

と内心パニックに陥っているけど塾に到着。


長年通っている塾だけど緊張で全く違う場所に来たみたい。
入り口から教室に入るまで総司君の姿がないか確認。


・・・まだ来てないみたい。


総司君はいつも5分は遅れて来るから・・・
席について近くにいた友達とおしゃべり。
頭の中は総司君が来たらどうしようってことでいっぱいだけど、
テンションあげてはしゃいでまぎらわす。


すると授業までまだ3分もあるのに総司君が入ってきた!

いつもだったら遅刻するくせに!


私の心拍数がどんどん上がっていく。心臓の音が体の中に響いている。
総司君に聞こえたらどうしよう・・・。


この塾は席が決まっていて、総司君は私の隣にやってくる。

いつもだったらニコニコ話しかけるんだけど今日はそれができない。
かろうじて笑顔は保てている、と思う。

総司君が席について授業の準備をする。
何となく気まずい。

先生が入ってきて皆が席についていく。

私はまっすぐ前を向いて総司君の様子を見たいけど見れない。


「あっ」


と総司君が鞄の中を見ながら小さく叫ぶ。

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