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狂い咲く花
第4章 一、雛菊 - 希望
『美弥。春日兄の結婚式当日に美弥とのこと話したいんだけどいいかな?』

『うん…うれしい』

『美弥の両親もいるから…はっきりと美弥と結婚したいって言うから』

『美弥…しあわせにするから…愛している』

『私も愛している…葉月」

姉様の幸せそうな声。
葉月のやさしそうな声。
知らず知らずのうちに頬に涙がつたう。
麻耶の心の何かがザワリと動いたのを本人は気が付かない。
ただ、姉様を葉月に取られてしまわれそうで、悲しいと思った。
静まり返った二人を、そっと覗いてみた麻耶はふたりが何をしているのか分からなかった。
抱き合って唇と唇を重ねている姿が何を意味するのか、今の麻耶には分からなかった。
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