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呪縛
第2章 大天使レオナ
ライアンの言葉にカッとなったエドガーは突然椅子から立ち上がるなり、剣を振り上げてライアンに飛びかかった。ライアンは驚きの余りに直ぐに動けず、それを察したレオナはエドガーの剣を自らの剣で受け止めた。
「お下がりください、ライアン様。」
「レオナ!?」
ライアンは言われた通りに部屋の入り口まで逃げる様に走っていく。何が何だか解らなかった。エドガーの怒り方は普通ではない。
「レオナ、何故だ!!何故ライアンなんだ!」
エドガーはまるで子供が駄々をこねて泣くように喚くと、まるで八つ当たりをするように剣をレオナに振り下ろす。レオナは黙ってそれを受け止めていた。
現在の天帝が幼き頃、レオナはライアンにしたように剣術をはじめ様々な事を教えて来た。その前の天帝もレオナの指導で育った。
そのせいか、レオナが育てる皇子は次の天帝になる者だと考える者達が多くいた。しかし、ライアンは自らが天帝になるといつまで経っても言い出さない。それが天界を大きく二つに分ける原因を作り出していた。
エドガーの気が済むまで、レオナはエドガーの剣を受け止めていたが、エドガーが疲れて椅子に座った時、自らの剣をエドガーに向けて振り下ろした。ライアンの目の前で天帝の息子であるエドガーを殺したのだ。その事実にライアンは思わず発狂したような声を上げた。その声に城中の天使が駆け込んでくる。その日、大天使レオナは堕天使レオナとして地上へと落とされた。しかし、これが全ての始まりでもあったのだ。
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