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ただ愛されたかっただけなのに
第22章 再びの蜜月⑥
「楽しい時間をありがとう。」

そう言ってキスをした。
唇を合わせるだけの軽いキス。
キスをしたら溢れる気持ちが止まらなくなった。
私から激しく彼を求め、舌を絡め唇を甘噛みして、何度も何度もキスをした。

「行ってきます」

そう言って彼は部屋を後にした。
窓から外を見ていると、彼が歩いて行く姿が見えた。
彼の背中が見えなくなるまで私は見送っていた。

一人部屋に残り、昨夜食べたものを片付け身支度をした。
もう彼に見せることはないのに、化粧をした。

チェックアウトを済ませ、ホテルを出る。
3日前に来た道を帰る。
来た時は3日は長いだろうなと思ったのに、あっという間に過ぎてしまった。
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