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蜘蛛♠
第3章 ミッション開始


「俺はすぐに玄関に向かい中からドアの鍵を開ける。
そしたらグッチはそっと中に入ってきてくれ。音と声は絶対に出さないようにね。
恐らくこの頃のS子とM奈は相当泥酔しているはず。
俺は適当に言葉で間を繋ぐからその間にグッチはビデオとニコ生中継とやらに繋げてくれ。」

関口が親指を立て誇らしげな笑みを浮かべた。

「その後はグッチの好きなように煮るなり焼くなりしてくれ‼
俺は適当に言葉を発してあたかも俺がやっていると思わせるから‼」

関口の目が輝いた。

「S子たちにグッチの存在がバレたらマズいというスリル………
そして全国の人間に見られているという解放感、優越感、羞恥心、……そして興奮を同時に味わえる。
いや!!それだけじゃない!!
「幻影旅団」の名を全国に広める事だってできるんだ!
素晴らしいと思わないか!!!!??」

川澄の口調が勢いよく早まった。

それに圧倒された関口の瞳孔が大きく開いた。

「す!!!!!!素晴らしいぜ団長!!!!!!!!俺は…俺は……………!!!!!!!!!!」

言いかけた関口の唇をを川澄の手の平がふさいだ。

「ダメだグッチ‼落ち着け!!!!!今日だけは人格変えないでくれ‼その興奮は今日の仕事が終わって、それを思い出した時に取っておけ」

「んぐぅんぐぅ!!!んぐぅ!!!!」

川澄の手の中で関口は深く頷いた。

「よしっ!!さぁ行こっか!!あっ……!!!」

エンジンをかけると同時に川澄はあることに気付いた。

「グッチ後ろだ!後ろの席に行ってくれ‼」

「ええぇ!!!??後ろ~!!!?あっ、……なるほどね!」

意思が通じたのか関口は助手席から後部座席へと移動した。

「そこに毛布が置いてあるからくるまってて!!」

念のためだ。
万が一、S子たちが家の外で待っていないとは限らない。
関口の存在がばれてしまっては全ての計画が水の泡となってしまう。

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