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暁の星と月
第3章 暁の天の河
暁は大紋の兆している牡の象をなぞるように指先で触れると、ゆっくりとその美しい形の唇を開き、口内へと男の雄蕊を招き入れる。

…暁はまだ口淫を施したことがなかった。
様々な性技を教え込もうとしていた大紋だが、口淫だけはまだ暁が痛々しくてさせる気にはならなかったのだ。
だが、今日は暁の全てを支配したいという欲望が優っていた。
この美しくも儚く…そしてその色香を隠そうとしても隠しきれない淫らな少年の全てを奪わずにはいられないのだ。
大紋は常に暁を支配しているという実感を得たかった。
それは、抱いても抱いても暁が遠い存在に思えて仕方ないからなのだ。
…全てが欲しい…
暁の全てを支配したい。
…そうでないと…
…もう、夏が終わってしまう…
少年じみた焦りに男自身も苦笑してしまう。

大紋は、熱く滑らかな暁の口内に包み込まれた己れの牡が一層、硬く勃ち上がったのを感じ、思わず眉を寄せる。
「…暁…」
「…んっ…んん…」
小さく狭い口内一杯に質量が増した男の牡を、暁は舌を使って愛撫する。
滑らかな天鵞絨のような感触の牡…。
自分が舌を使い、丹念に愛撫すればするほど、それは硬さと質量と重量を増し、その形状は恐ろしいほどであった。
だが、暁は次第に男への愛撫に夢中になる。

ちらりと仰ぎ見た男の顔は、その端正な美貌に苦しげな…しかし危ういような悦楽めいた色を浮かべていた。
…春馬さんが喜んでくれる…
暁の背筋にぞくぞくするような快感が走る。

暁は、大紋が好きだ。
兄、礼也を想う気持ちとは確かに違う。
だが、一心に愛を捧げ、暁に愛と快楽を同時に与えてくれようとしているこの美しい男を強く慕い始めていた。
大紋は常に暁を導いてくれる頼もしい存在だ。
彼は暁をいつも優しく、甘やかせてくれる。
暁の少年時代のトラウマを察知している大紋は、決して声を荒げたり、乱暴な振る舞いをすることはない。
まるでお姫様に対するような優しく丁寧な振る舞いをしてくれる。

大紋が暁に執拗に迫るのは性交の時だけだ。
その時も、暁が本当に嫌がることは決して強要しない。
暁が羞恥を覚えながらも従うことが出来るぎりぎりの性技を乞うのだ。
…だから、暁は大紋の願いは叶えてあげたいと思ってしまうのだ。

…いや、それと同時に…
暁は男への愛撫や奉仕で自分の性感が妖しく昂まるのを気付き始めていた。








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