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暁の星と月
第6章 その花のもとにて
礼也はすらりとしたまるで西洋人のようなプロポーションをダークグレーの舶来のジャケット、ブルーのストライプのシャツ、濃い臙脂のネクタイに身を包んでいる。
遠目で見てもその堂々とした男性美溢れる美しさは顕著だった。
礼也は雄々しくも端正な貌に優しい微笑みを浮かべながら、梨央にそっと手を差し伸べていた。
ミルクのように白い…まるでお伽話の王女様のような上品な裾の長いドレスを着て、純白のレースの日傘を差した梨央は辺りが輝くほどに可憐で美しい。
その完璧に整った人形のような美貌、妖精のように清らかな雰囲気、嫋やかな立ち居振る舞い…間違いなく、並み居る貴族の令嬢の中では群を抜く美少女であろう。
…梨央は17歳になっていた。
華奢でほっそりとした身体は相変わらずだが、全体的に女性らしい柔らかな身体のラインに変化しつつあった。
白い高価な絹のドレスに包まれた胸は美しい曲線を描き、引き締まった細いウエストに続くなだらかな双丘は意外なほどに豊かで女性美を醸し出していた。
その大変に整ってはいるが、やや表情に乏しかったおとなしげな貌はそれでも、年頃の娘らしい華やいだ艶を帯びて来ていた。
梨央は兄の礼也の手を恥ずかしそうに握りしめ、眩しそうな笑みを浮かべながら手を引かれて庭園の奥へと消えて行った。
暁は二人の仲睦まじい様子を見た瞬間に、胸にどうしても堪え切れない焼け付くような痛みを感じ、思わず二人に告げる。
「…失礼。兄さんに用事を思い出したので、探して来ます」
大紋が怪訝な顔をして、何か言いかけたのを躱し、そのまま二人が消えた庭園の奥へと進んで行った。
遠目で見てもその堂々とした男性美溢れる美しさは顕著だった。
礼也は雄々しくも端正な貌に優しい微笑みを浮かべながら、梨央にそっと手を差し伸べていた。
ミルクのように白い…まるでお伽話の王女様のような上品な裾の長いドレスを着て、純白のレースの日傘を差した梨央は辺りが輝くほどに可憐で美しい。
その完璧に整った人形のような美貌、妖精のように清らかな雰囲気、嫋やかな立ち居振る舞い…間違いなく、並み居る貴族の令嬢の中では群を抜く美少女であろう。
…梨央は17歳になっていた。
華奢でほっそりとした身体は相変わらずだが、全体的に女性らしい柔らかな身体のラインに変化しつつあった。
白い高価な絹のドレスに包まれた胸は美しい曲線を描き、引き締まった細いウエストに続くなだらかな双丘は意外なほどに豊かで女性美を醸し出していた。
その大変に整ってはいるが、やや表情に乏しかったおとなしげな貌はそれでも、年頃の娘らしい華やいだ艶を帯びて来ていた。
梨央は兄の礼也の手を恥ずかしそうに握りしめ、眩しそうな笑みを浮かべながら手を引かれて庭園の奥へと消えて行った。
暁は二人の仲睦まじい様子を見た瞬間に、胸にどうしても堪え切れない焼け付くような痛みを感じ、思わず二人に告げる。
「…失礼。兄さんに用事を思い出したので、探して来ます」
大紋が怪訝な顔をして、何か言いかけたのを躱し、そのまま二人が消えた庭園の奥へと進んで行った。